自動車ではもはや当たり前となってきているスマートキーですが、近年バイクにおいてもスマートキーに対応したモデルが発売されているのをご存じでしょうか？
今回はそんな最新設備であるバイクのスマートキーについて詳しくご紹介したいと思います。
バイクのスマートキーシステムとは？
スマートキーシステムとはライダーが携帯するスマートキーと、バイク車体側のECUとの間で双方向電波通信を行い、IDが認証された場合にのみメインスイッチノブが解錠されエンジンがかけられるシステムのことです。メインスイッチだけでなくシートやコンソールボックスの解錠、燃料噴射ECUの動作が可能となるものが多く、物理キーをいちいちささずともバイクの操作が可能となります。
スマートキーのメリット
早速ですが、まずはスマートキーのメリットについて詳しくみていきましょう。
鍵をさす必要がない
最大のメリットがこちらになると言えるでしょう。キーをポケットや鞄に入れた状態でバイクに跨りメインキーを押せば（回せば）エンジン始動です。バイクに乗ったことがある人なら誰しも一度は、キーの出し入れが億劫に感じたことがあるはずです。
車と違いヘルメットやグローブを着脱する必要があるバイクではこのキーの出し入れ操作がないだけで、想像以上に負担が減ることでしょう。
鍵穴のメンテナンスが不要
元来の物理キーであれば、洗車や雨によるキーシリンダーへの水の混入や、土埃などが詰まる可能性があります。中にはいたずらによるシリンダーの詰まりを経験された方もいるでしょう。
こういった際のメンテナンスは素人ではなかなか難しくプロにお願いすることになります。当然その分費用もかかり、最悪の場合キーセット一式を交換しなければならないということもありえます。しかし、スマートキーシステムであれば原則こういった心配はほぼないため鍵穴のメンテナンスや故障のリスクがかなり低いと言えるでしょう。
盗難防止
スマートキーの中にはイモビライザーと呼ばれる電子照合システムが備わっているため、盗難防止効果が高いと言えます。昔からある物理キーであれば窃盗団の手にかかればものの数分で盗まれてしまうような場合もあります。盗難後に付け替えればいいだけなので、キーシリンダーを破壊した上でバイクが盗まれたという人もいるようです。
しかし、電子制御されているスマートキーシステム搭載のバイクでは、こういった力技ではエンジンをかけられないためセキュリティーが高いと言えます。
スマートキーの注意点
スマートキーシステムのメリットについてご紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。ここからはそのデメリットを補うための注意点について解説します。
紛失しない
これは昔からの物理キーでも当たり前のことですが、紛失しないように気を付けましょう。特にスマートキーはいちいち出し入れしないだけに、慣れてくるとその存在自体をいつの間にか忘れがちです。ポケットに入れっぱなしにしてしまいそのまま洗濯してしまったという話も聞いたことがあるのではないでしょうか。
さらにスマートキーは電子制御のため、通常の物理キーと比較して鍵の交換が非常に高価である点にも注意しましょう。
電池切れ
スマートキーで特に多いトラブルが電池切れでしょう。多くのスマートキーがボタン電池を交換することで元通り使えるようになります。シートなどにスペアとして新品のボタン電池をストックしておくのも1つの手ではありますが、バイクの駐車環境などによっては高温になり危険な場合もあるため注意が必要です。
多くのスマートキーが電池が消耗した際のためにメーターなどに警告灯を備えています。あまり頻繁に表示されるものではないため、納車時にはどのランプが点灯（点滅）するのか確実に確認しておくようにしましょう。
保管に注意する
メリットでスマートキーはセキュリティーが高く盗難防止になるとご紹介しましたが、実はこの電子制御という便利な仕組みを逆手に取った盗難手口も存在します。それが「リレーアタック」と呼ばれるもので、スマートキーが常に発している微弱な電波を増幅させ、この電波をバイクまで中継することでエンジンを始動して盗難するというものです。
これを防ぐ対策として、スマートキーを電波を遮断するケースに入れるか、玄関や外壁近くには保管しないようにしましょう。
中にはこの微弱な電波を切るモードが搭載されたスマートキーもあるため、取扱説明書を確認しておくようにしましょう。
スマートキーシステム搭載のバイク
実際にスマートキーシステムを搭載した国内バイクには以下のようなものがあります。
【ホンダ】
ゴールドウィング、X-ADV、フォルツァ、PCX、Dio110、スーパーカブC125
【ヤマハ】
TMAX、XMAX、トリシティ
まとめ
冒頭でも述べたとおり、スマートキーは大変便利なアイテムです。特にグローブをしていたり、ファスナー付きのポケットやバッグに鍵をしまったりする場面が多いバイクの場合は、一度使うと手放せないほど、その恩恵は高いと言えます。
これからスクーターだけでなく色々なタイプのバイクにもスマートキーが採用される可能性は高く、最初は慣れないスマートキーに戸惑う場面もあるでしょうが、いざという時に焦ららないよう、今回ご紹介した注意点に気を付けて、対処法を覚えておくようにしましょう。
普段の通勤・通学だけでなくツーリング等でも便利なスマートキーがバイクでももっと普及するといいですね。